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雨の香り。

そこに在ればいい。

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2017/09/23(Sat)04:02

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亡き声。

2009/01/28(Wed)01:40

 
くすんだ白浜にある
潮風にさらされた廃屋
建てられたという事実を見失うほどに風化したそれを
皆 無いものとして通り過ぎていく 
故にここに生を置き 待つ

 

窓の向こうの海で波が打ち寄せる度
僅かに揺れる 重みを持った殻
触れられたとして 狭間の私は止めただろうか
 

泣けぬことが不安を灯し
色 鮮やかなうちは見えぬだけ と 
未だ 孤独を認められないでいる
 

友人がいた
彼は時折私を引掻き 酷く安心した顔を見せて
そのことを私に話しては
「とんでもないことをしてしまった」と言って泣いた
 

よく花を摘んできて見せてくれた
そのたびに酷く嬉しそうな顔をして
「また摘んでくる」と言って笑った
 

友人がいた
私の向こうの私を見つづけ
花だらけの部屋で首を吊って死んだ
 

また縄の軋む音が響く
彼は逢いに行ったのではなく
逢いに来たのだ と
小さく彼の名を呟けば
 

静寂の後
潮風が廃屋の肌を剥いだ
 

気づかぬほどに褪せていたのだと気づき
そっと 死体の目を閉ざすふりをして
ドアを開けずに部屋を出た
 

隔ての無い波音
風と共に通り過ぎる
郷愁のような切なさが胸に残る
 

足を差し出せば波音はまた静かに過ぎ
私は体温を錯覚してしまう
忘れていた感覚を思い出す されど
緩やかに それは私のもので無くなるのだろう
 

亡き声の水死
媒介を持たぬ者達は底で死に
意思の名残はやがて赤子の意思を産む
 

足が歩を止めた時
それが泣き声であると知った
私はもう消えてしまうというのに
不安は無く どこか穏やかな感情すら抱く
 

あぁ 遠くから 波紋だけが 近づいてくる
 

それが誰かも知らぬのに
薄れいく自我の中 見えぬ手を掴み
 

「おかえり」と泣いた。


 

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No.40|Comment(2)Trackback(0)

Comment

無題

2009/01/29(Thu)20:02

新作だ。って見に来た瞬間固まりました。
即刻プリントアウト(勝手にごめんなさい)。
下敷きの詩、書き直す用意しなきゃです。

沈んでいく思いとか
生まれるものとか
生と死と波とがカオスって。
殻から彼女は生まれたんだと思う。
すごいすごい、綺麗で悲しくて寂しい。
懐かしいのは母の羊水?
いろいろ思わされる。

わー私も頑張らなくては。
ありがとうございましたww
(多々、言葉を並べて敬語が外れてます。すいません;;)

No.1|by 松中|URLMailEdit

無題

2009/01/29(Thu)23:57

新しい試みをしたのはいいものの、失敗に終わってしまいました。それでも得るものはあったのでよし。

おお、羊水。おお。なるほど。その解釈が一番自然なのかもしれない。おお。なんかびっくりした。

カオスになってしまったのは、俺が書きたいものが明確に決まっていなかったからかと思います。惜しい。そして悔しい。

また気合を入れて書き直しますので、下敷きに書くのは書き直したほうをよろしくお願いします!!

感想すごくうれしかったです!

No.2|by ぴぴぷる。|URLMailEdit

Comment Thanks★

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