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雨の香り。

そこに在ればいい。

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2017/09/23(Sat)04:02

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呼吸

2013/04/09(Tue)00:44

薄い藍色の雲が覆う空から、暗闇が降りてきている
緩く走らせる車の窓を開け 吹き込む風の冷たさが
重たい頬から熱を持ち去っていく
湿り気の帯びた空気に人の匂いが含まれ すぐに自然へ還る

畑は影に隠れ 少しずつ呼吸を始めている
茂みの中で虫達が羽を震わせ その音にもならぬ振動を土は吸い
迫る夜の気配を匂わせている
昼間、家々の騒々しさに埋もれていた木々は
その葉の緑に幕を下ろしているにも関わらず 幹の脈動を感じさせるほどの 生命を孕みつつある 

目に見えぬ子鬼達が、そこいらで遊んでいる
行き交う車の音にかき消されるからいいんだと、小さく、無邪気に笑いながら
薄暗闇の中に灯る明かりの数々の 触れられぬ暖かさに、羨みを感じたりして
未だ枝の伸びているのみの桜の 満開の姿を想い 走り回る
ときめきが振り撒かれ 煌く 

窓の外での戯れが静寂を揺らす
停車し、戸を開け、この景色に足を踏めば 現実というものに 彩りが出そうに思うが
ヘッドライトの波に流され ゆっくりと 漂着は近づいている

潮騒のように 風は吹き込んで
何処とも知れぬ穴へ抜けていく
ただ 熱を持ち去っていくだけ。
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